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坂本龍一メッセージ

楽器復興
坂本龍一

311のすぐ後から、音楽に携わる者として、被災にあった学校の楽器をなんとかできないものかと考えていました。当初は水や食べ物を手に入れるのも困難な状況の被災者たちも、いずれ本や音楽が必要になる時が、遠からず来ると思っていました。

数年前、巨大ハリケーンカトリーナによって甚大な被害を受けたニューオリンズから、被災地の学校のジャズ部に楽器の贈り物があり、それによって久しぶりに音が出せるようになった生徒たちが、避難所暮らしの被災者に音楽をプレゼントした、というニュースを見た時は少し悔しい思いをしました。それこそ私が望んでいたことだったからです。しかしこれは一番を競うような事柄ではないと、すぐに自分をおさめました。なぜならこの復興は、とても長い時間と忍耐とお金がかかるものだと分かっていたからです。

まず広大な被災地における楽器の被害状況を調査し、どこに何が必要かを洗い出し、誰が何をできるか調べ、予算を調達し、実際に楽器の修復を始める。修復できないほど壊れている、あるいは失われているところへは、新たに補充しなければならない。そのコストは誰が負担するのか、などなどやらなければいけないことは山ほどあります。

楽器一つとってもこれなのですから、この東日本をおそった震災の大きさに、改めて畏怖の念を強くさせられます。是非多くのみなさんの協力をお願いします。

坂本龍一

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